広げよう! 安倍9条改憲NO! 3000万人署名
Q 「3000万人統一署名」って何?
A 「戦争ダメ」の願いをかたちに
安倍政権による憲法9条の改憲を許すなと、宗教家の有馬頼底さん、作家の瀬戸内寂聴さん、ノーベル賞受賞者の益川敏英さんなど幅広い19氏が発起人になり「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」を立ち上げ、「全国統一署名」をよびかけました。
今年5月をめどに3000万人の署名を集めることが目標です。市民アクションには、はじめて「九条の会」も共闘に加わり、保守層や宗教界などを含めた共同の輪が広がっています。
安倍首相は昨年5月3日、「憲法9条に自衛隊の存在を書き込む」「2020年に新憲法施行をめざす」と述べ、改憲に意欲を示しています。戦後70年以上にわたって、日本が海外で戦争をしてこなかったのは、憲法9条が存在し、市民の粘り強い運動があったからです。秘密保護法、戦争法(安保法制)、共謀罪など、憲法と立憲主義を踏みにじってきた安倍政権のもとで9条を変えれば、日本がふたたび海外で「戦争する」国になってしまいます。
「戦争はダメ」に保守も革新もありません。圧倒的多数の人の共通の願いです。「3000万人署名」は、その願いを署名のかたちで示そうという運動です。
Q なぜ「3000万人」?
A 改憲発議させない運動
自民党はことしの国会で改憲案を発議し、一気に国民投票にまで持ち込もうとねらっています。「3000万人署名」はこの発議を許さないことを目標にしています。
たしかに、国会内では、自民党・公明党と改憲推進派の議席は改憲発議に必要な3分の2を上回ります。しかし、9条改憲を許さない世論と運動が多数派になり、国民投票をしても敗北が必至という状況を作れば、いくら国会で多数派であってもこわくて発議できなくなります。
先の総選挙での投票総数は5500万票台でした。3000万人はこの過半数です。いま、地域でも保守層も含めた署名推進の共同が広がりつつあります。全国の草の根から、この規模の多数派を「3000万人署名」を通じて作り上げましょう。
Q 自衛隊を憲法に書き込めばどんなことがおこるの?
A 海外での武力行使に道
安倍首相は、「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」(2017年11月21日の衆院本会議)といいますが、大きく変わります。結論からいうと、自衛隊を憲法に明記すれば、無制限の海外での武力行使に道を開くことになります。
政府はこれまで、自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力組織」であって、憲法9条2項で禁止されている「戦力」にはあたらないと主張してきました。これ自体ごまかしですが、政府はこの立場から、自衛隊ができないこととして、(1)海外への自衛隊の派兵、(2)他国のために武力を行使する集団的自衛権の行使、(3)武力行使を目的とした国連軍への参加―の三つの活動をあげてきました。
ところが、安倍政権は、2014年にそれまでの政府見解を変えて、政権の解釈しだいで集団的自衛権を行使できるという閣議決定を行い、これを2015年の安保法制で法律化しました。しかし、それでも安倍首相はイラク戦争やアフガン戦争のような場合に「武力行使を目的として戦闘に参加することは決してない」「限定的です」と繰り返さざるを得ませんでした。9条2項が、安保法制も縛っているからです。
憲法に自衛隊を明記すれば、9条2項の「戦力の不保持」と矛盾します。その場合、「後からつくった法律は前の法律に優先する」という法律の世界の一般原則によって、9条2項が空文化してしまいます。自衛隊は、9条2項の縛りから解放されて、無制限な海外での武力行使に道が開かれます。
Q どのようなスケジュールで改憲しようとしているの?
自民党の二階俊博幹事長は、年内にも憲法改正の発議をめざす考えを示しました。来年2019年は、4月には統一地方選挙と天皇の退位、5月新天皇即位、7月参院選と、重要な日程がつづきます。そのため、政府内には、早ければ通常国会(6月20日まで)、おそくとも秋の臨時国会で改憲を発議し、国民投票運動期間(60日~180日)を経て、来年3月までの国民投票に持ち込もうとしています。
Q 民主主義や国民の暮らしや 経済への影響は?
A 人権を制限 社会保障も削減
9条2項を空文化して制限のない海外での武力行使が可能になれば、国民の権利が脅かされ、国民生活は劇的に変化します。
9条に自衛隊を書き込むというシナリオを書いた改憲右翼団体「日本会議」のブレーンは、「『国家の安全』は今後はどんな場合においても、憲法という『錦の御旗』を背景にすることとなる」(伊藤哲夫氏『明日への選択』2017年11月号)とし、「他の憲法上の権利や主張にも互角に対抗できる」と強調しています。すなわち、国民の基本的権利や憲法にもとづく主張・行動にも憲法上明記された自衛隊の名で制限が可能となるということです。さらに、自民党が年末にまとめた「論点整理」には、9条改憲とあわせて「緊急事態条項」の創設もあげられています。そのなかで、「政府への権限集中や私権制限を含めた緊急事態条項を憲法に規定すべき」との意見が紹介されています。すでに、秘密保護法で国民の知る権利を奪い、共謀罪で国民監視の強化が図られています。自衛隊を憲法に書き込めば、「国家の安全」の名で国民の基本的人権さえもないがしろにされることは明らかです。
憲法9条に焦点をあてて改憲をめざす安倍政権のもとで、軍事費の膨張が鮮明になっています。2018年度も、過去最大の軍拡予算を組みました。「海外で戦争する国」づくりを予算の面から推進するものです。 そのしわ寄せは、国民の暮らしに押し付けられています。医療や介護など社会保障予算の自然増さえ大幅に削減し、生活保護費の削減が進められています。
戦後日本は、軍事費を抑制することで、民生分野を中心とする経済成長を促し、国民生活を向上させる力となってきました。自衛隊を憲法に書き込めば、軍拡に憲法上の根拠を与え、国民生活にも経済にも重大な影響を及ぼします。
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